代表的なイベント

花フェスタ札幌2024・サッポロフラワーカーペット2024

花フェスタ札幌2024

花フェスタ札幌とは?

花フェスタ札幌2024

花フェスタ札幌は、札幌市中央区の大通公園を舞台に開催される、初夏の訪れを告げる花のイベントとして知られる。

そして第31回目を数える2024年は、「フラワーワンダーランド」をテーマに、道内農業高校が多数参加するガーデニングコンテストや、花卉園芸およびガーデニング用品などの展示即売会などが催された。

4~5丁目会場

北海道農業高校によるガーデニングコンテスト

4〜5丁目会場では、第15回北海道農業高校ガーデニングコンテストが開催された。これは北海道の農業高校の生徒達が、個性豊かなガーデニング作品を競うイベントで、今年は全道各地から13校、18チームが参加していた。

どの出展作品も独創的かつ美しい力作ばかりだったが、本サイトではスペースの都合上、全ての作品を紹介しきれないため、頑張った生徒さん達に対して誠に心苦しい限りではあるが、入選した6つの作品に絞ってご紹介したい。

大賞 静内農業高校

花フェスタ札幌2024 静内農業高校の作品
花フェスタ札幌2024 静内農業高校の作品

2024年の大賞に輝いた静内農業高校の「Something Blue〜幸せを呼ぶ青い庭〜。同校のある新ひだか町はデルフィニウムの生産量が道内1位。そんな地元特産品の青い花をふんだんに用いたひときわ目を惹く作品。

準大賞 大野農業高校

花フェスタ札幌2024 大野農業高校の作品
花フェスタ札幌2024 大野農業高校の作品

準大賞は道南にある北斗市の北海道大野農業高校。「困難を乗り越える」と題した作品は、北斗市の水田開発の歴史にちなんだテーマとなっている。左側のブランコは北斗市のSDGsのゴールのひとつ「木育」を表現したもの。

準大賞 新十津川農業高校 Aチーム

花フェスタ札幌2024 新十津川農業高校Aチームの作品
花フェスタ札幌2024 新十津川農業高校Aチームの作品

今年はダブル準大賞となり、新十津川農業高校Aチームの「農村地帯に花を」も大野農業高校と並んで受賞。道内有数の米どころ空知地域の田園風景に花の彩りを加え、花と緑の潤いと安らぎ、美しさを表現したとのこと。

特別賞 新十津川農業高校 Bチーム

花フェスタ札幌2024 新十津川農業高校Bチームの作品
花フェスタ札幌2024 新十津川農業高校Bチームの作品

新十津川農業高校Bチームの作品は特別賞を獲得。「ほっと一息つきましょう」という変わったタイトルと日本家屋の庭先を模したユニークな作品。竹の鹿威し(ししおどし)も再現されていて和風テイスト満点。

SNS賞 倶知安農業高校

花フェスタ札幌2024 倶知安農業高校の作品
花フェスタ札幌2024 倶知安農業高校の作品

羊蹄山のふもとにある倶知安農業高校からは「咲け!フラワーランド倶農」という作品が出展された。蝦夷富士の異名をとる羊蹄山を再現した立体感あふれるフラワータワーは、まさにSNS映えしそう!の一言に尽きる。

奨励賞 旭川農業高校 Bチーム

花フェスタ札幌2024 旭川農業高校Bチームの作品
花フェスタ札幌2024 旭川農業高校Bチームの作品

旭川農業高校Bチームの作品は「和な日常〜和らぎを与える縁側〜」と題した涼感あふれる作品。すだれと白い玉石、背の低い草花でスッキリまとめられたこの作品は、猛暑もあってか多くの通行人が足を止めて見入っていた。

企業出展(一部のみ紹介)

株式会社佐藤香園

花フェスタ札幌2024 株式会社佐藤香園の作品
花フェスタ札幌2024 株式会社佐藤香園の作品

プロの造園会社からも多数の出展があった。こちらは佐藤香園の「愛情いっぱい!子育て真っ最中」というパンダの親子が花畑で遊んでいる様子を表現した作品。会場の中でもひときわ来場者の注目を集めていた。

株式会社四宮造園

花フェスタ札幌2024 株式会社西宮造園の作品
花フェスタ札幌2024 株式会社西宮造園の作品

四宮造園の「波濤(ハトウ)〜Big Wave〜」は、割竹を湾曲させてダイナミックな波濤を表現。もはやガーデニングというより華道の境地に達したと言っても過言ではないくらいに芸術性の高い作品となっている。

6丁目会場

花フェスタ札幌2024 6丁目会場

6丁目会場は、花をモチーフにした陶器や絵画などの販売をはじめ、焼き肉、ジンギスカン、囲炉裏焼きなどの飲食店が多数出店しており、あたり一面に香ばしい匂いを漂わせている。野外ステージでは花にちなんだトークショーも行われ、暑い中、多くの来場者で賑わっていた。

花フェスタ札幌2024 屋台

花の祭典ということもあり、オータムフェストやYOSAKOIソーラン祭りなどに比べると屋台の出展は少なめ。それでもランチタイムにはお店の前に行列ができるほどの盛況ぶり。

野外ステージでは花やガーデニングをテーマとしたトークショーイベントが行われていた。会期最終の週末は札幌市では少し早い真夏日となったが、多くの市民が会場に訪れていた。

花フェスタ札幌2024 トークイベント

ハンギングのある風景

花フェスタ札幌2024 6丁目会場 ハンギングのある風景の作品

6丁目会場では「ハンギングのある風景」と題したフラワーアレンジメントが多数展示されていた。花は花壇に植えるだけではなく、バスケットに飾ったり、リース風に編み込んで吊るしたりと様々な鑑賞のバリエーションを楽しむことができる。

写真はほんの一例。おそらくガーデニング愛好者による一般参加者の作品だと思われるが、どの作品も本当にお上手。世の中には才能のある人が結構いるものだなぁ…と感じさせられた。

7丁目会場

花フェスタ札幌2024 7丁目会場 園芸品の展示即売会

7丁目会場は、草花やガーデニング用品の展示即売会が行われていた。札幌市内のみならず、恵庭や十勝などから合計10社が出店しており、たくさんのガーデニング愛好者で賑わっていた。

花フェスタ札幌2024 7丁目会場 園芸品の展示即売会

江別市にある道内唯一の薔薇専門店である「花匠ばら壱」さんのブース。薔薇一筋26年というだけあって、ブース周辺はたくさんの薔薇で溢れかえっていた。

こちらは北海道の山野草や高山植物を専門に販売している岩崎園芸さんのブース。他にも英国のガーデニング専門店など多彩なお店が軒を連ね、活気が伝わってくる。

花フェスタ札幌2024 7丁目会場 園芸品の展示即売会
花フェスタ札幌2024 7丁目会場 園芸品の展示即売会

北区新琴似の花のとびつかさんのブースにて見つけた可愛らしい多肉植物。筆者は狭いマンション住まいなので、もし観葉植物を飼うとしたらこれくらいが精一杯か…。

札幌商工会議所のブースではフラワーアレンジメント制作体験コーナーを設けていた。近年盛り上がりを見せる札幌の花卉産業だが、その影には関係者の地道な努力がある。

花フェスタ札幌2024のゆきかた

会期;6月22日(土)〜30日(日) 午前10時から午後6時
会場;大通公園4丁目〜8丁目(入場無料)
アクセス;地下鉄大通公園駅4番もしくは5番出口を出てすぐ
公式サイト;花フェスタ札幌2024公式サイト

サッポロフラワーカーペット2024

サッポロフラワーカーペットとは?

サッポロフラワーカーペット2024

サッポロフラワーカーペットは、札幌市中央区の北3条広場(アカプラ)で開催される市民参加型のアートイベントで、同広場のオープニングイベントとして2014年に第1回目が開催されて以来、毎年回を重ね2024年は記念すべき10周年を迎えた。

フラワーカーペットはベルギーの首都ブリュッセルが本場らしく、サッポロフラワーカーペットの後援団体にはベルギー大使館も名を連ねている。

そして2024年は「つむぐ、みらいへ」というテーマで、ベルギーとコラボレーションしたり、アイヌ文様を取り入れたりと意欲的な試みもなされたようだ。

赤レンガテラスのテラス席

北3条広場といえばズラリとならんだテラス席を思い浮かべる札幌市民は少なくないだろう。今や夏の風物詩といった感のあるテラス席は南欧のカフェといった異国情緒満点の雰囲気。

赤レンガテラス会場

サッポロフラワーカーペット2024の赤レンガテラス1Fエントランス内の展示

北3条広場に隣接する赤れんがテラスの建物内にもフラワーカーペットがいくつか展示されている。写真は1階フロアのエントランスにある小さなフラワーカーペット。10周年記念のスペシャルバージョンで、写真は2階の吹き抜けから撮影したもの。

サッポロフラワーカーペット2024の赤レンガテラスBF1フロア内の展示

上の写真のエスカレーターから赤レンガテラスの地下1階に降りると、札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)にも小さなフラワーカーペットがあった。

サッポロフラワーカーペット2024のゆきかた

会期;6月28日(金)〜30日(日) 午後6時30分まで
会場;北3条広場(入場無料)
アクセス;JR札幌駅・地下鉄札幌駅から徒歩5分
公式サイト;サッポロフラワーカーペット2024公式サイト

札幌市民と花の歩み

サッポロフラワーカーペット2024

札幌と言えば、雪景色やすすきののネオン街を思い浮かべる人も多いだろう。しかし、実は札幌は「花のまち」としても知られており、いまやその中心を担うイベントが、今回ご紹介した花フェスタ札幌とサッポロフラワーカーペットとなっている。

そして札幌のシンボルである大通公園には、市民とともに歩んだ花と緑の歴史がある。1876年、開拓使によって西3・4丁目に初めて西洋花卉が植えられ、1907年には、小川二郎氏による自費での整備が始まり、その後、市民や企業の協力によって花壇は拡張されてゆく。

大通公園と札幌テレビ塔

しかし、第二次世界大戦中は食糧不足のため大通公園は菜園に転用されてしまう。戦後、市民の強い要望を受け、1950年から花壇の復旧が始まり、1954年には花壇コンクールが開始され、現在も「札幌市花壇推進組合」によって美しい花壇が作り続けられている。

年間1300万人を超える観光客が訪れる札幌市は、企業やボランティアと協働し、花と緑で都心を彩る取り組みを進めている。その好例が「サッポロフラワーカーペット」で、市民がボランティアとして制作に参加することで、地域活性化や次世代育成にも貢献している。

改修工事中の赤レンガ道庁

大通公園や北3条広場以外にも、札幌市内には様々な場所で花を楽しむことができる。北海道庁旧本庁舎や札幌市資料館などの歴史的建造物周辺には、季節の花々が植えられており。また、住宅街の近隣にある公園や緑道にも、美しい花々が咲いている。

観光やビジネスで札幌を訪れる際は、ぜひ大通公園や北3条広場だけではなく、市内各所で咲く花々にも注目してみて欲しい。きっと、札幌の新たな魅力を発見できるだろう。

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  • この記事を書いた人

山口光博

札幌育ちの人事コンサル。リテール業界に詳しく学生バイト時代を含めるとコンビニ、食品スーパー、総合スーパー、問屋&物流センターなど、流通チャネルに関わるほとんどの職場を経験。地元とスープカレーをこよなく愛す。

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