スープカリー

カレー食堂 心 札幌本店(札幌市北区)

老舗ホテルのシェフが魅せる渾身の逸品

カレー食堂心の看板
この強烈な看板が同店のプライドを雄弁に語る。オーナーはもともと某老舗ホテルのシェフだったらしい。

札幌市北区にある北海道大学は、全国に7校ある旧帝国大学のひとつであり、その前身は「少年よ大志を抱け」の名言で知られるクラーク博士が教鞭を執った札幌農学校だったことで知られている。そんな北海道大学のすぐそばにあるカレー食堂 心(こころ)も、札幌スープカリーの歴史を語るうえで外せない草分け的なお店として、マニアの間ではとても有名な存在である。

札幌スープカリー御三家といえば、薬膳カリィのアジャンダ、スープカリーの名付け親のマジックスパイス、トマト&焦がしバジルの札幌スタンダードを確立した札幌らっきょだが、その札幌らっきょの創業者のひとりが、カレー食堂 心のオーナーである。また同店は、ミシュランガイド北海道2017掲載という快挙(たしか業界初?)を成し遂げた折り紙付きの実力派。

カレー食堂心のビバンダム君

窓際にはミシュランタイヤのビバンダム君とアカデミー賞のオスカー像。ミシュランアワードの”ちゃんとした”スープカリー店だぜ!と誇らしげ。

そんなカレー食堂 心に、遅ればせながらようやく往訪と相成った。初めてお邪魔する店内は、パフューム、ゴスペラーズ、ザ・イエローモンキー、佐野元春、大沢誉志幸、ピエール瀧といったJ-POP界を代表する大御所達のサインでいっぱい。なんとブラタモリの番組ロケでタモリさんが喫食していったことも。さすが有名店だけあってゲストのスケールが違う…。

カレー食堂 心 札幌本店 実食レビュー

骨付きチキンのスープカレー

カレー食堂心の骨付きチキンのスープカレー

筆者は人気メニューの骨付きチキンのスープカレーを頂いた。フォン・ド・ヴォー方式で10時間かけて仕込んだスープは、牛骨・豚骨・鶏ガラから抽出した旨味と、フルーツの甘み、そしてトマトの爽やかな酸味が調和した上質な味わい。スープの食感はややとろみのあるタイプ。辛さ10番は甘辛く、まったりしているが、しつこくない繊細な後味が秀逸な一皿だった。

たしかに札幌らっきょのスープの味わいとよく似ている。ただし札幌らっきょは、馴染み深いルゥカレーに寄せたテイストで、心は、ケチャップの優しく懐かしい風味を感じさせる、古き良き時代の洋食屋さんの味。骨付きチキンはホロホロに柔らかく、軟骨までバリバリ食べられる。同店こだわりのじゃがいも「北海50号」も歯ごたえがしっかりしてとても美味しい。

カレー食堂心の卓上タバスコ

卓上には辛味スパイスではなくタバスコを用意。なるほど爽やかな酸味のスープの辛さマシマシは、酸味の効いたタバスコでどうぞ…ということか。

17種の野菜のスープカレー

カレー食堂心の17種の野菜のスープカレー

続いて相方の実食レビュー。相方は17種の野菜のスープカレーを辛さ1番、ライス小盛りでお願いした。辛い食べ物が苦手な相方ではあるが、心のスープはスパイスの風味をしっかり感じる一方で、辛さの刺激が抑えられているので食べやすかったそう。やはり筆者同様に、ケチャップやハッシュドビーフのようなコクのあるまろやかな甘みが、強く印象に残ったとのこと。

17種の野菜カウントにチャレンジするも、じゃがいもやレンコン、ピーマンなどの日頃見慣れた野菜は別として、小ぶりにカットされた多種多様な野菜が詰め込まれた、まるで野菜の宝石箱や!(彦摩呂かいな…)といった同メニューの野菜判別作業は想像以上に難航したが、ともあれ彼女にはカレーの主張控えめの洋食っぽいフレーバーに、かなり満足していた様子。

基本メニューとオーダー

基本メニュー

カレー食堂心のメニュー表

基本メニュー(グランドメニュー)はチキンや野菜、シーフードなど、札幌スープカリーではベーシックな具材。ラビオリとニョッキや、ベーコンとキャベツなど、洋食風の上品な変わり種メニューは、いかにも元ホテルのシェフらしい。こだわりの素材を、手間ひまかけた一流の調理で提供する極上メニューばかりだが、価格は驚くほどにリーズナブル。

オーダー方法

カレー食堂心のテーブル席

オーダー方法は基本メニューを選び、辛さとライスの量を指定するオーソドックスなスタイル。スープは渾身の一本勝負。辛さは1〜10番までが無料、11番から100番までが追加料金が必要。ライスは150gの小ライス(無料)から、800gの超!特大ライス(追加料金)までの5段階。スープの量を考えると並盛(250g)がギリ。それ以上はスープ大盛りがマスト。

カレー食堂心のライス

ライスは契約農家から調達した特Aのななつぼし。それにしてもライスに添えられた正方形の2枚の海苔は、札幌らっきょと全く同じアレンジ。

他にも豊富なトッピングやアルコール飲料、ソフトドリンクなどもラインナップされている。なお、アルコール飲料はビールのみ。個人的にスープカリーと赤ワインは良く合うと思うが、ワインとライス単体のマリアージュとなるとやや微妙…。やはりビール一択で正解か…。

当サイトで紹介しているメニューについて
当サイトでご紹介しているメニューの内容および価格は記事投稿時のものであり、各店の事情によって適宜変更となることもあります。現行のメニューと価格については恐れ入りますが各店の公式サイトより直接ご確認ください。(運営者)

カリー食堂 心 札幌本店のゆきかた

店内の雰囲気

カレー食堂心の店内

店内はマホガニーウッドのフロアと調度品、そして暖色系の照明でまとめられた、シックで落ち着いた大人の雰囲気。カリー専門店にありがちな、インドや東南アジア風のエスニックでギラギラした店内演出などは皆無。オーナーは音楽方面にも造詣が深いのだろうか、店内のいたるところにミュージックライブやJAZZコンサートのポスターが貼られている。

カレー食堂心のお座敷席

店舗の奥へ進むとなんとお座敷席が。これは家族連れや団体客には有り難い。市内でお座敷完備のスープカリー専門店はここだけではないか?

営業時間とアクセス

カレー食堂心の店舗外観

定休日;要問合せ
営業時間;11時30分〜22時(売り切れ次第閉店)
電話番号;011−758−8758
アクセス;地下鉄南北線北18条駅から徒歩4分 ※店舗ウラに駐車場8台分あり
公式サイト;カレー食堂 心 ホームページ

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  • この記事を書いた人

山口光博

札幌育ちの人事コンサルタント。小売業界に詳しく学生バイト時代を含めるとコンビニ、食品スーパー、総合スーパー、卸売など、流通チャネルに関わるほとんどの職場を経験。地元である札幌市とスープカレーをこよなく愛す。

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