さっぽろライラックまつりは初夏の風物詩

さっぽろライラックまつり2025大通会場へ行ってきた。今年のさっぽろライラックまつりは大通会場(大通公園5丁目~7丁目)と川下会場(川下公園)の2会場開催で、大通会場は5月14日~25日までの12日間、川下会場は5月24日~25日の2日間の会期となっている。
さっぽろライラックまつりは昭和34年から続く息の長いイベント。当時の文化人が「ライラックの咲き誇る季節に、文化の香り高い行事を催そうではないか!」と呼びかけて始まったのだとか。今ではすっかり大通公園の初夏の風物詩として、市民の間に定着した感がある。
札幌市の木ライラックにまつわるストーリー

ライラックは札幌の木である。その原種はヨーロッパ南東部から東アジアにかけておよそ30種類が分布しており、札幌は明治23年に北星学園の前身であるスミス女子学校の創始者、サラ・C・スミス女史が故郷アメリカから持ち込んだのが始まりと言われている。
すでに札幌に植生して130年の歴史を持つライラックだが、札幌の木に選定されたのは昭和35年のこと。札幌市の人口が50万人に到達し、またポートランド市との姉妹都市提携を記念して、札幌にふさわしい木としてライラックが選ばれたのだそうな…。
さっぽろライラックまつりを歩いてみる

それでは早速、さっぽろライラックまつり2025大通会場を歩いてみる。まずは5丁目会場のエントランスの様子から。当日はあいにくの曇り空で、ライラックの鮮やかな色彩がうまく画像で再現できるか心もとないが、読者に会場の雰囲気が伝われば良しとしよう。
大通会場5丁目

5丁目会場はさながら屋外カルチャー教室の様相を呈している。園芸業者のライラック展示・販売コーナーをメインに、札幌文化団体協議会によるいけばな展示コーナー、ライラック写生コーナー、折り紙教室、粘土細工コーナーなど、たくさんのブースが軒を連ねていた。

こちらはいけばな展示コーナーの作品。ライラックをモチーフにさまざまな流派のいけばなが展示されていた。
改修工事のため長期休館していた赤レンガ道庁のリニューアルオープンPRブース。ようやく今夏お披露目の予定。

大通会場6丁目

筆者が訪れた日は、ちょうどさっぽろライラックまつり2025のオープニングセレモニーが開催されていた。セレモニーでは陸上自衛隊第11音楽隊の迫力ある演奏や、ライラックの由来となった北星学園女子高等学校音楽科の生徒たちによる美しい歌声の合唱などが披露された。

オープニングセレモニーの一環として、来場者にライラックの苗木をプレゼントしていた。
ライラックの苗木プレゼントは先着1,000名限定。ゆえにこの長蛇の行列。皆さん本当にライラック好き…。

大通会場7丁目

7丁目会場はライラックワインガーデンと題して、北海道のワイナリーやチーズ工房が勢揃い。ワイン&チーズ好きの筆者としては、このまま一杯やりたかったが、実はこの後、打ち合わせや会合など仕事の予定が立て込んでいたため、邪念を振り払い足早に会場を立ち去る。

大通公園の八重桜。札幌の桜は、ソメイヨシノ、エゾヤマザクラ、チシマザクラなどだが、八重桜は最も開花が遅く、時期によってはライラックとの競演を鑑賞できる。
来年は川下会場にも訪れてみたい…

今回は雨天のため川下会場は往訪できなかったが、川下公園は様々なライラックを鑑賞できるスポットとして知られる。特に同園のライラックの森はフレンチライラックが見どころで、植栽されている品種はなんと140種。機会があればぜひ川下公園を訪問してみたい。