辛さ=正義ではないことを教えてくれる名店
札幌スープカリー曼荼羅は札幌市西区宮の沢地区にあるスープカリーとルゥカレーの専門店である。業歴は10年ほどで札幌市内のスープカリー専門店では中堅どころ。医食同源をコンセプトとした「あっさり爽やかで毎日食べても飽きのこないスープ」がウリとなっている。
我々が初めて札幌スープカリー曼荼羅を訪れたのは2021年の冬で白い恋人パークを見学した帰りにぶらりと立ち寄ったのがキッカケである。当時の我々はすでに7軒ほどのスープカリー専門店を食べ歩き、スープカリーの味のなんたるかを理解しはじめた頃だった。
そんな我々にとってさっぱりしつつスパイスの風味とダシの旨味がぎゅっと凝縮された曼荼羅のスープは未体験の美味しさだった。そしてその日以来、札幌スープカリー曼荼羅のテイストはスープカリー実食レビューにおける我々のスタンダードとなってゆく。
札幌スープカリー曼荼羅 西町本店の実食レビュー
揚げチキンレッグ
筆者がオーダーした揚げチキンレッグはオリジナルスープで辛さは4番。具材は揚げたチキンレッグが丸ごと1本に素揚げしたじゃがいも、ニンジン、ピーマン、ナス、パプリカ、そして炒めた玉ねぎ、キャベツ、シメジ、さらにシャキシャキした新鮮な水菜が添えられている。
オリジナルスープはほのかな酸味を感じるがトマトベースではない。開発に2年の歳月を要したという曼荼羅のスープは鶏ガラのフレーバーにカリースパイスと唐辛子がほどよく調和していて舌の奥からジワリと浸透してくる凝縮された旨味がやみつきになる。
唐揚げホルモン
このメニューは筆者が初めて曼荼羅で頂いた唐揚げホルモン。オリジナルスープを辛さ5番でオーダーしてみた。スープの旨味よりも辛さの方が圧倒的に勝っていてこの時はまだ曼荼羅のスープの凄さに気づいていない。なおホルモンを具材にしたスープカリーの元祖は曼荼羅。
唐揚げホルモンはスープと別皿で提供されるので最後まで香ばしいサクサク感を味わうことができる。
ポーク角煮
ここからは相方のレビュー。角煮ポークをオリジナルスープと辛さ0番で頂く。トッピング野菜の構成は前述のチキンと重複するので解説は割愛する。さてポークの角煮はスプーンだけで身がほぐれるほどに柔らかく煮込まれており、まるで口の中でとろけるような食感。
特筆すべきは辛さ0番のスープ。筆者も一口ご相伴に預かったのだが辛さゼロでもスパイスとダシがしっかり効いていて充分に旨い。このままカレー以外の料理にアレンジしてもとんでもなく美味しい一皿が出来上がるのではないかと思われるくらい曼荼羅のスープは秀逸。
煮込みハンバーグ
こちらも相方。スープはひたすらオリジナルスープで辛さはもちろん0番。実はこのメニューによって我々2人は曼荼羅に開眼したのだが、スープカリーの味の良し悪しは刺激の度合いではなくスープのダシこそ決め手なのだ・・・ということを教えてくれた逸品。
高温で一気に採取した秘伝のダシを効かせた旨味たっぷりのスープは当初スープカリーというメニューそのものに懐疑的だった相方をすっかり虜にしてしまったようだ。たいていスープを残してしまう相方が夢中で飲み干してしまったくらいに完成度の高いスープ。
基本メニューとオーダー
基本メニュー
基本メニューはスープカリーが15種類、ルゥカレーが5種類、さらにスパイスカレーやカレーうどんなども用意されており小規模なお店ながらラインナップが充実している。
オーダー方法
札幌スープカリー曼荼羅では①スープを選ぶ、②基本メニューを選ぶ、③辛さを指定する、④ライスの種類と量を選択する、の4ステップでオーダーする。スープはオリジナル、ココナツ、薬膳の3種類で後者2つは追加料金が必要。辛さは0番から7番までの8ランク。
ライスは白米と玄米の2種類。量はライス無しから特盛まで6段階となっている。やや硬めに炊かれた玄米は曼荼羅スープとの相性バツグン。
札幌スープカリー曼荼羅 西町本店へのゆきかた
店内の雰囲気
店内はカウンター席が5席とテーブル席が3卓で単身でもグループでも気軽に来店することができる。曼荼羅という店名からインド風のギラギラした空間を想像していたのだが、明るく開放的な店内にピアノのBGMが流れていてシックで落ち着いた雰囲気。
テーブル席のうち2卓は中2階にある変わった造りのお店。壁面反対側は1階から吹き抜けになっていて窮屈さなどは感じない。
営業時間とアクセス
2023年10月に北海道神宮近くに第2号店となる曼荼羅北海道神宮前店がオープンした。現時点ではスープカリー専門だが、いずれルゥカレーも提供する予定とのことなので、円山エリアにお住まいの方もぜひ曼荼羅テイストを堪能してみて欲しい。