スープカレー

スープカリーを自宅で手軽に再現する

2022年10月26日

スープカリーってどんな料理?

筆者が作った自家製スープカリー
札幌育ちの筆者が本場のスープカリーの味を身近な食材で再現する!

スープカリーは札幌発祥のカレー料理で、鶏ガラや香味野菜から抽出したダシと薬膳効果のあるカリースパイスで作ったスープに、揚げたり蒸したりして調理したチキンレッグや大ぶりの野菜をトッピングした新ジャンルのメニューである。

そんな新感覚のカレー料理であるスープカリーだが、その歴史は意外と古く、今から半世紀前に札幌市中央区のアジャンタという喫茶店が常連客向けの裏メニューとして提供していた薬膳カリィが原点であると言われている。

その後、白石区のマジックスパイスが薬膳カリィを独自に進化させてスープカリーと命名し、西区の札幌らっきょが大手食品メーカーとタイアップして全国にプロモーションを展開したことで、スープカリーは広く世間に知られるようになってゆく。

もしも近所にスープカリー屋さんが無かったら…

筆者の作った鶏むね肉と小松菜のスープカリー
鶏むね肉、ジャガイモ、小松菜、玉ネギ、シメジで仕上げたシンプルメニュー

今やスープカリーは札幌を代表するソウルフードのひとつとして多くの人々に知られるようになったが、札幌圏以外ではスープカリー専門店のある地域はまだまだ多いとはいえない。

ゆえにスープカリー専門店の無い地域にお住まいの人がこの料理を食べたいと思った場合は、最寄りのスーパーで専門店監修のスープカリーの素を購入するか、料理レシピのWebサイトを参考に自分で調理するしかないのが実情ではないだろうか?

しかし専門店監修のスープカリーの素は高価ゆえに、冷蔵庫の余った食材で手軽にササッと作る…というにはもったいない。また本州の多くのスーパーでは、そもそもスープカリーの素という商品自体を取り扱っている店が少ないと思われる。

一方で料理レシピのWebサイトでは「ルゥカレーをスープに溶かす」だの、「具材をスープでしっかり煮込む」などといった、スープカリーとは似ても似つかぬ、摩訶不思議なレシピが散見される(筆者も試作したがスープカリーと呼べる代物ではなかった)。

そこで札幌のあちこちの専門店でスープカリーを食べ歩いている筆者が、全国のスーパーで手軽に入手できる一般的な食材と、フライパンひとつで簡単に調理できる方法で、本場札幌のスープカリーを再現してみた。

スープカリーを自宅で手軽に再現する

材料(1人前)

自炊スープカリーの調味料
これらの調味料は一般的な家庭であれば常備されていることがほとんど

今回使った調味料は写真のとおり。全国どこのスーパーでも手軽にかつ安価に入手できる商品ばかりだが、ベル食品は札幌の食品メーカーなので、もし最寄りのスーパーで品揃えされていなければ、鶏ガラスープの素で代用しても良い。

なおベル食品の商品は同社の公式オンラインショップから購入することも可能なので、できればスープカリーの調理に先立ち、きちんとベル食品のガラベースを用意して、少しでも本場札幌の味に近づけたいもの。

スパイス
・S&B赤缶〜小さじ3〜2杯(お好みで調整)
・塩〜小さじ1/2杯
・黒こしょう〜小さじ1杯
・乾燥バジル〜小さじ1杯
・オリーブオイル〜大さじ2杯

スープの素
・カゴメトマトペースト〜個包装チューブ1/2本
・ベル食品ガラベース〜個包装チューブ1/2本
・ハウス7種のスパイスペースト〜小さじ1杯
・すりおろしニンニク〜小さじ1杯
・すりおろしショウガ〜小さじ1杯
・TV和風だしの素〜小さじ1杯
・料理酒〜小さじ1杯
・水300ml

具材(一例)
・鶏むね肉〜100g
・ジャガイモ〜1個
・ニンジン〜1/2本
・カボチャ〜スライス3枚
・シメジ〜1/2株
・玉ネギ〜1/4個
※具材は魚介や葉物野菜はもちろん豆腐や納豆など自分が食べたいものなら何でもよい。
S&B赤缶カレー

S&B赤缶はスパイスだけのものを選ぼう。奥側のカレーミックスはフレーク状のカレールゥなので、とろみが出てサラサラなスープにならない。

つくりかた

材料の下ごしらえ

レンチンして下ごしらえしたイモとニンジン
野菜の栄養分は皮の部分に一番多く含まれているのだとか

スープカリーは煮込み料理ではないので、ジャガイモとニンジンはよく洗って皮付きのままカットし、あらかじめレンチンして野菜の内部までしっかりと火を通しておく。もしひと手間かけられるならフライヤーを使って素揚げすると野菜の甘みが増してより美味しい。

カットしたカボチャと玉ネギとシメジ

野菜は大ぶりにカットするのが札幌スープカリーのセオリーだが、自炊のポイントは手間要らず…なので火の通りやすいサイズで充分。

個人的嗜好で塩とバジルをすり込んで冷蔵庫で数日間寝かせた鶏むね肉を使用したが、買ってきたばかりの鶏肉をそのまま焼いても問題ない。

カットした鶏むね肉
自炊スープカリーに使うスパイス類

スパイスはシンプル。素人の我流ブレンドよりS&B赤缶をそのまま使うのがベスト。より辛さが欲しい人は鷹の爪をちぎって加えるとよい。

写真の調味料に酒と水を加えたスープの素をあらかじめボウルに用意しておき、スパイスを軽く炒めたら間髪を入れず投入する。

自炊スープカリーのスープの素

具材を炒める

カットした野菜を炒める
ほかにもレンコン、オクラ、ピーマン、ナスなども定番の具材

フライパンにサラダオイルをしいて野菜を炒める。根菜はすでにレンチンして内部まで加熱しているので、表面に焦げ目がつけばOK。玉ネギはペーストにするわけではないので、飴色になるまで炒める必要はない。

野菜が焼き上がったら器に移す。ここから肉を焼き、スープを作り、器に注ぐまであっという間なので、具材が冷める心配は無用。

炒めた野菜は器に盛ってしまう
焼いた肉も器に盛る

…ということで焼いた鶏肉も器に盛る。スープカリーといえばチキンレッグが定番だが、自宅で手軽に作るならひと口サイズの方がラク。

カリースープをつくる

スパイスを軽く炒める
スパイスはあっという間に焦げてしまうので側にスープの素を用意しておこう

肉と野菜を炒めたらフライパンの残り油にオリーブオイルを加えてからスパイスを軽く炒め、カリーの香りを引き立てつつ、焦がしバジルを作る。焦げつかせると苦くなるので10秒程度炒めたらすぐにスープの素を投入する。

スープの素を加えて混ぜ合わせながらひと煮立ちさせる。スパイスやダシはこれで充分なので、コクが足りないようなら塩を加えて調整する。

スープの素を加える

カリースープを注いで完成

完成した自炊スープカリー
普通のカレーライスを作るよりも手短に調理できる点もうれしい

味を整えたカリースープを器に注いで完成。あとはライスを添えていただくだけ。見た目の雑さはさておいて、カリースパイスの香ばしい刺激とトマトの酸味がほどよく調和した札幌スタンダードっぽいテイストになったと思う。

長年筆者のブログをご覧頂いている方ならすでにお気づきだろうが、実はこのレシピに至るまで何度やり直したか思い出せないほど。しかし苦節3年目にしてようやく納得の領域に到達できたのではないかと自画自賛している。

筆者の作った激辛スープカリー

こちらは辛党向け。赤唐辛子をガツンと効かせた激辛スープに、香ばしく焼いたチキンと野菜をトッピング。カットトマトをスパイスと一緒に炒めて酸味もアップ。

自作スープカリー甘口

辛い味が苦手な人はメークインやカボチャなど、甘みの強い野菜のトッピングを増やすことでスープの刺激が中和され、マイルドな風味に仕上がる。

ハウス玉ネギ炒めペースト

7種のスパイスペーストの代わりに炒め玉ネギペーストを使っても辛味を抑えることができる。

自家製のスープカリー

こちらは定番のナスのほか、白ごまと醤油を少々加えた和風スープの底に、キャベツ、小松菜、シメジ、玉ネギが敷き詰められていて野菜たっぷり仕様となっている。

自家製のスープカリー

スープを注ぐ前。底面の緑色野菜が見えるだろうか?ちなみに筆者が鶏肉にこだわるのは獣肉アレルギーだから。

実は筆者はグルテンアレルギーもある。幼少から身体の湿疹やかぶれに苦しめられており、周囲からはアトピー性皮膚炎なのでどうしようもできない…などと言われていたが、獣肉とパンやうどん、洋菓子などのグルテンを絶ったら、きれいさっぱり完治した。

一般的なルゥカレーといえば豚肉と小麦粉が使われることが多いため、筆者のような食物アレルギーを持つ人にスープカリーはうってつけである。もし食物アレルギーによってカレー料理を諦めている人がいたら、ぜひこのレシピを参考にして頂ければと思う。

札幌スープカリーの良さをもっと知ってもらいたい

今回のまとめ

自作のスープカリー辛さ控えめバージョン
辛さが苦手な人はカレー粉を減らしダシを濃いめにすると美味しくいただける。

以上、自宅で手軽に作ることができる札幌スープカリーのレシピだったが、ひとくちにスープカリーといっても専門店の味は千差万別であり、また個人の味覚や味の好みも人それぞれなので、今回は筆者の主観で最もベーシックと思われるテイストを狙ってみた。

ちなみに材料をカットしてから仕上げまでの所要時間は料理に手慣れた人だと15分程度。ワンパンで手早く調理できるうえに食材費は1食あたり300円程度とリーズナブルなので、とにかく自宅で手っ取り早くスープカリーを食べたい人にはうってつけのレシピだろう。

もちろん専門店の複雑で繊細な味わいには及ばないが、カレールゥをダシ汁で溶いたようなヘンテコリンな料理に比べると、はるかに本場札幌のスープカリーに近い味であることは保証するので、興味のある人はぜひトライしてみて欲しい。

今後も引き続き札幌エリアの美味しいスープカリー専門店もどんどん紹介してゆきたいので、この記事を気に入ってもらえたら、ブログで紹介した専門店の実食レビューなどもあわせて読んで頂けると嬉しい限り。

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  • この記事を書いた人

山口光博

札幌育ちの人事コンサル。リテール業界に詳しく学生バイト時代を含めるとコンビニ、食品スーパー、総合スーパー、問屋&物流センターなど、流通チャネルに関わるほとんどの職場を経験。地元とスープカレーをこよなく愛す。

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