チョコレートのテーマパーク
白い恋人と石屋製菓
白い恋人パークは札幌市西区宮の沢地区にあるチョコレートのテーマパークである。運営元は札幌土産の定番となっている白い恋人を製造販売している石屋製菓株式会社で、白い恋人パークの東隣に本社を構えている。
白い恋人といえば以前に大阪の吉本興業が「面白い恋人」という白い恋人のパロディ商品を発売して石屋製菓と揉めたことがある。最終的に裁判沙汰になって吉本興業側が面白い恋人のパッケージを変更し、関西限定で販売することで両社和解にいたった。
白い恋人パークの概要
白い恋人パークの館内にはチョコレート博物館のチョコトピアハウス、白い恋人の製造作業を見学できるチョコトピアファクトリー、スイーツづくりのワークショップを開催しているチョコトピアマーケット、石屋製菓のお菓子を購入できるチュダーハウスなどがある。
他にも中世ヨーロッパの城下町を彷彿とさせる中庭や、石屋製菓がメインスポンサーとなっているコンサドーレ札幌FCの練習グラウンドなども併設されており、屋内外ともにみどころ満載のテーマパークとなっている。
白い恋人パークの館内
チョコトピアハウス
チョコトピアハウスには2つのアトラクションが用意されている。ひとつはジュリアン・ダンディーノ・イシミッティなるチョコレート博士がプロジェクション・マッピングの中でチョコレートの誕生から一般的なスイーツとして普及するまでの歴史を解説するコーナー。
もうひとつは担当スタッフのガイドでチョコレート博士のコレクションを収蔵した3つの展示室を見学するツアーであり、19世紀のヨーロッパ貴族達がチョコレートを喫食する際に実際に使用していた陶器製の高級カップなどをガラスケース越しに見ることができる。
チョコトピアハウスは4名程度の少人数グループごとに専任スタッフが1名随行し、2つのアトラクションを合わせて60分程度の時間でツアーするようになっている。なお前半のプロジェクション・マッピングは写真撮影NGとなっているので注意したい。
3つの展示室から館内の写真撮影がOKとなる。明るい部屋→暗い部屋→明るい部屋と交互に続いてゆく。
1860年製のマイセン。マイセンはドイツのマイセン地方で造られる西洋磁器の高級ブランドとして有名。
フランスのセーブル焼き。セーブルは18世紀にフランス王ルイ15世が設立した王立窯で当時の貴族御用達。
英国のコールポート。会社は1967年にウェッジウッド社に買収されてしまったが商品ブランドとして存続。
チョコトピアファクトリー
チョコトピアファクトリーは石屋製菓株式会社の製菓工場を2階の大きな窓から見学することができる。工場では実際に白い恋人やバウムクーヘンを製造していて、この日は流れ作業で白い恋人の包装作業が行われていた。
白い恋人はラングドシャ(フランス伝統のクッキー)でチョコレートを挟み込んだ焼き菓子で、半世紀近くにわたって販売されている同社の看板商品である。整然と配置された清潔な設備とテキパキとした作業員の動作から生産管理の質の高さがうかがえる。
チョコトピアファクトリーのスタッフが白い恋人の製造工程や生産量などについてわかりやすく説明してくれる。
見学窓の反対側の壁一面に白い恋人パークの妖精たちが白い恋人を製造している様子をかわいらしく展示。
チョコトピアマーケット
チョコトピアマーケットには記念写真スポットのマジカルマルシェ、スイーツづくりのワークショップを体験できるドリームキッチン、白い恋人パーク限定スイーツを堪能できるチョコレートラウンジ・オックスフォードがある。
マジカルマルシェ
マジカルマルシェは白い恋人パークの世界観を表現したような不思議な空間で、テーマごとにいくつかの写真撮影ブースを設けている。
マスコットキャラの猫のプルミとラムルもプロジェクション・マッピングで登場。館内のあちこちに隠れているので探してみよう。
ドリームキッチン
ドリームキッチンはスイーツづくり体験ワークショップで入場の際に別料金を支払って申し込む。ドリームキッチン以外にもチョコレートのテイスティング体験コーナーなどもある。
家族連れやグループで訪れたのならワークショップはぜひ体験してゆきたいところ。きっと旅の良き想い出となることだろう。
チョコレートラウンジ
施設見学の合間にチョコレートラウンジ・オックスフォードで一休み。手稲山系の雄大な景色を眺めながら白い恋人パーク限定スイーツで贅沢なひとときを愉しむ。メニューはチョコレートのパンケーキやパフェなどで、白い恋人パークラベルのビールもある。
ラウンジにはグランドピアノも置かれていて広々した空間でリッチな雰囲気を味わうことができる。
チュダーハウス
チュダーハウスにはベイクショップチェルシー、ショップピカデリー、フォトショップメメントなどのショップと軽食喫茶のカフェバトラーズがある。石屋製菓株式会社の社史を紹介したイシヤミュージアムなどもあって、見る、食べる、買うの三拍子揃った施設。
イシヤミュージアム
石屋製菓株式会社は1947年創業の札幌市を代表する製菓メーカーであり、札幌市、東京都、大阪府の百貨店や空港で直営のISHIYA SHOPを展開している。かつて不祥事もあったが現在はCSRに取り組む地元のリーディングカンパニーとして復活した。
石屋製菓株式会社の傘下には十勝おはぎで有名なサザエ食品株式会社や高品質な十勝産小豆をつかった餡を製造している十勝製餡株式会社などがあり、自社グループ内で洋菓子と和菓子の両方を取り扱っている。
不祥事による営業停止処分が解けたとたんに全国の店舗であっという間に白い恋人が完売したという逸話もある。
カフェ・バトラーズワーフ
カフェ・バトラーズワーフではハンバーグとサラダをワンプレートにしたメニューや各種パスタ、白い恋人パークオリジナルのソフトクリームなどがリーズナブルな価格で用意されている。お子様プレートもあるので家族連れでも安心。
店内のあちこちに展示された手作り感あふれるブリキのおもちゃ達が暖かい雰囲気を醸し出す。
ショップ・ピカデリー
白い恋人パークツアーのフィナーレはやはり札幌土産で締めたい。ショップ・ピカデリーには石屋製菓のロールケーキやバウムクーヘン、チョコレート博士シリーズなどこの施設でしか購入できない魅力的なアイテムがたくさん揃っている。
人気商品の白い恋人はセオリーどおりに少品目大量陳列で展開されている。この量でも店内では回転率No1のスペースなのだろう。
からくり時計
白い恋人パークのシンボルであり宮の沢地区のランドマークにもなっているからくり時計は、1時間ごとに塔や周辺の建物からからくり人形が出現し、にぎやかな演奏とともに時を告げる。中庭の入場は無料なのでなにかのついでに気軽に立ち寄ることもできる。
中世ヨーロッパの街並みを模したロマンチックな中庭には”映える”写真撮影スポットがいたるところにある。
ガリバータウンポッケ
ガリバータウンは小さな子どものためのミニチュアの街。チョコトピアハウスの入場料とセットになっているので本館見学の後はお子さんと一緒にガリバータウンを探検してみよう。
宮の沢白い恋人サッカー場
コンサドーレ札幌は札幌市を拠点とするプロフットボールクラブであり、石屋製菓が長年メインスポンサーを務めていることでも知られている。白い恋人パークに隣接する練習場のメインスタンドは3,000人の観客を収容可能で選手たちの練習を間近で見学できる。
株式会社コンサドーレの本社も練習場の敷地内にある。2階はレストランとなっていてテイクアウトも可能。
白い恋人パークまとめ
白い恋人パークはチョコレートを学んで、味わって、買って帰ることのできるチョコレートに関するオールインワンのテーマパークであり、札幌市を代表する製菓メーカーである石屋製菓株式会社の取り組みなども知ることができる秀逸なスポットである。
地下鉄東西線のターミナル駅である宮の沢駅も近く、札幌駅前からバスでアクセスすることもできるので、ご来札の折には宮の沢方面に足を伸ばし、ぜひ白い恋人パークを見学してみることをオススメしたい。