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北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)仮設見学施設(公開終了)

改修工事中の赤れんが庁舎を間近で見学できた貴重な施設

北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)の仮設見学施設の出入口

「赤れんが庁舎」の愛称で親しまれる北海道庁旧本庁舎は、北海道開拓の歴史を刻む明治時代の建造物です。

令和元(2019)年から令和7(2025)年まで行われた大規模改修工事では、令和5年5月から約1年にわたり仮設見学施設が公開され、改修工事の様子を間近で見学することができました。

現在は工事が完了し、仮設見学施設も撤去されて赤れんが庁舎は新たにリニューアルオープンしています。

このブログ記事では、普段は見ることができない改修工事中の赤れんが庁舎の姿を期間限定で見学できた仮設見学施設の様子を振り返ります。

赤れんが庁舎とは?

修復工事前の北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)
令和の改修工事前の赤れんが庁舎

赤れんが庁舎は、明治21(1888)年に北海道庁の本庁舎として建てられました。

比較的初期に建てられた大規模なレンガ造りの官庁舎として貴重な建物であることから、国の重要文化財に指定されています。

北海道産の建材をふんだんに使用し、中央に八角塔を備えたその姿は、北海道のシンボルとして広く知られています。

赤れんが庁舎の歴史

竣工間もないころの北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)
竣工間もないころの赤れんが庁舎(北海道大学付属図書館蔵)

北海道庁の設置に伴い、明治21(1888)年に建てられた赤れんが庁舎。

多額の建築費をかけて造られた庁舎は「基模宏壮、外観荘厳」と謳われ、当時としては非常に大規模な建物でした。

明治42年の火災直後の北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)
明治42年、赤れんが庁舎は外壁を残し焼失した(北海道大学付属図書館蔵)

明治42(1909)年には火災によって内部と屋根を焼失する被害に遭いますが、残されたレンガ壁を補修するなどして2年後に復旧。

昭和43(1968)年に現在の北海道庁庁舎が竣工するまでの約80年間、道政の中心であり続けました。

明治時代の火災から復旧した直後の北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)
火災から復旧した明治45年頃の赤れんが庁舎(北海道大学付属図書館蔵)

その後、開道百年記念事業の一環として八角塔を復活するなど創建当時の姿に復元された赤れんが庁舎は、昭和44(1969)年に国の重要文化財に指定され、現在に至るまで北海道開拓のシンボルとして親しまれています。

令和の改修工事の概要

北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)の仮設見学施設の様子

赤れんが庁舎は劣化が進んだことから、令和元年からから令和7年にかけて改修工事を実施。

屋根の葺き替えや外内装の改修、耐震工事、バリアフリー化、設備の更新などが行われました。

また、工事期間中の令和5(2023)年5月から令和6(2024)年5月には仮設見学施設が公開され、貴重な工事過程を間近で見学できました。

赤れんが庁舎の仮設見学施設

北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)の仮設見学施設の外観

重要文化財に指定されて以来、北海道の歴史や観光情報を発信する施設として使用されてきた赤れんが庁舎。

令和の改修工事中、その様子を間近で見ることができる施設として設置されたのが、仮設見学施設でした。

赤れんが庁舎のシンボルである八角塔や2階の屋根を近距離から観察できる貴重な機会を提供するほか、赤れんが庁舎の歴史や改修工事の概要を伝える展示も充実しており、歴史好きの方はもちろん、建築に興味のある方にもお勧めできる内容となっていました。

仮設見学施設で見た改修の舞台裏

仮設見学施設の一番の魅力は、改修工事中の赤れんが庁舎を間近で見学できることでした。

赤れんが庁舎のシンボル、八角塔

仮設見学施設から見る修復中の北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)の八角塔

赤れんが庁舎のシンボルである八角塔を上から見下ろすという、仮設見学施設でなければできない体験ができました。

八角塔は当初の設計にはなく、道庁上層部(定説では長官の岩村通俊)の発案で、急に加えられたといいます。

そのため構造的欠陥を抱えた八角塔は、強風で揺れたり雨漏りが悪化したことから、10年も立たないうちに撤去されました。

現在の八角塔は創建当時の古写真を参考に、昭和43(1968)年の復元工事の際に再建されたものです。

仮設見学施設では八角塔を間近に眺めながら、昭和の再建過程や、今回の改修工事の詳細を学ぶことができました。

天然スレートの屋根を間近で観察

仮設見学施設で見る修復中の北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)の屋根

仮設見学施設の3階西面に広がるガラス窓からは、赤れんが庁舎の屋根部分の改修工事の様子を一望できました。

珍しい天然スレート葺きや、スレートが取り外された屋根の状態を間近で観察できたのは、仮設見学施設が公開されていた期間だけの特別な体験でした。

仮設見学施設の展示内容

仮設見学施設は赤れんが庁舎に関する展示も充実。

「仮設」という言葉のイメージ以上に見ごたえのある内容となっていました。

赤れんが庁舎の歴史に触れる

北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)の仮設見学施設の様子

赤れんが庁舎の歴史を軸に、札幌の街づくりとその発展を紹介するコーナーが設けられていました。

パネル展示の上部はガラス窓となっており、美しい前庭と現在の札幌の街並みを眺めながら、札幌の歴史を学ぶことができました

北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)の仮設見学施設から見る前庭

仮設見学施設から見下ろした、赤れんが庁舎の前庭。

元は試験林・見本林として整備されたという、約100種、1,000本の樹木が植えられています。

改修工事の概要を知る

北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)で行われるプレストレス補強の仕組みの模型
今回の改修工事で行われる補強工事の方法を模型で説明

改修工事の目的や内容、手法についてのパネル展示がありました。

工事は、傷んだ箇所の修理・耐震性の向上・設備の更新やバリアフリー化を主な目的として実施されました。

地震に弱いイメージのあるレンガ造りの建物をいかにして耐震化するのか?など、特に建築好きな方には興味深いであろう内容が多く含まれていました。

赤れんが庁舎に使われている建材を知る

北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)の仮設見学施設の様子

レンガや漆喰、屋根のスレートなど、赤れんが庁舎に使われている建材について、実物を提示しながら説明するコーナーもありました。

北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)の仮設見学施設のレンガの積み方の展示

レンガの積み方には2種類あり、赤れんが庁舎ではフランス式と呼ばれる積み方が採用されています。

もう1つの積み方であるイギリス式は、サッポロビール園(札幌市東区)などで見ることができます。

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赤れんが庁舎の仮設見学施設を振り返って

改修工事が終了した赤れんが庁舎とフラワーカーペット
改修工事が終了した赤れんが庁舎とフラワーカーペット

赤れんが庁舎の令和の改修工事で設けられた仮設見学施設では、普段間近で見ることのできない八角塔や屋根を、じっくりと観察することができました。

赤れんが庁舎の歩みや使われている建材、改修工事の詳細などの展示も充実しており、その魅力を存分に味わうことができました。

現在、改修工事は完了し、赤れんが庁舎はリニューアルオープンしています。

仮設見学施設は撤去されましたが、仮設見学施設で見ることのできた改修工事中の貴重な姿は、北海道の歴史的建造物を支える技術と情熱を間近で感じられる貴重な機会でした。

今後リニューアルされた赤れんが庁舎を訪れる際には、この仮設見学施設で見た改修工事の過程を思い出しながら、新しくなった建物の魅力を改めて感じることができるでしょう。

アクセスと開館時間

以下は仮設見学施設が公開されていた当時の情報です。リニューアル後のアクセスや開館時間・入館料などについては、赤れんが庁舎の公式サイトをご確認ください。

アクセス;JR「札幌」駅、および札幌市営地下鉄「さっぽろ」駅から、徒歩10分
開館時間;8:45 ~ 18:00
休館日;年末年始
入館料;無料
公式HP;北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)改修事業

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参考文献
「さっぽろ文庫23 札幌の建物」(札幌市教育委員会 編/1982年)
「新札幌市史 第3巻 通史3」(札幌市教育委員会 編/1994年)
広報さっぽろ中央区版「歴史の散歩道」
札幌の文化財(Web版)


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  • この記事を書いた人

福島智美

札幌市出身。文学研究者を志し大学時代を京都で過ごす。文学博士前期課程修了後、北海道博物館で学芸員実習を経て人事業界に転身。当サイトでは寺社仏閣や郷土資料館の執筆を担当。趣味は和装とフィギュアスケート観戦。

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