花フェスタ札幌2025
花フェスタ札幌とは?

第32回目となる「花フェスタ札幌2025」が札幌市中央区の大通公園で開幕した。今年は6月21日(土)~6月29日(日)の9日間の会期となる。花の都札幌らしく「FLOWER WONDERLAND」をテーマに、会場のあちこちで色とりどりの花が咲き乱れていた。
こちらはプロの作品。㈱岩崎造園土木は創業半世紀の札幌市内では老舗の造園工事業者である。花フェスタの常連であり、大通花壇コンクールでは6度の受賞歴を誇る。


こちらも本職の出展。㈱佐藤萬香園は毎年動物をモチーフにした作品で知られており、昨年のパンダに引き続き今年はコアラの親子。人だかりが絶えず撮影に苦労する。
サッポロビール提供&ガーデニングリラの会による「ホップの小径」と題した作品。ガーデニングリラの会は札幌市公園緑化協会の修了生が立ち上げたガーデニングのボランティア団体。
そしてサッポロビールといえば黄金色に輝くホップ。

4~5丁目会場 第16回ガーデニング甲子園

今回第16回の開催となった北海道農業高校生ガーデニング甲子園。2025年は11校から全16チームの参加となった。
大賞に輝いたのは静内農業高校で昨年に続く2連覇の快挙。入賞常連となりつつある剣淵高校と新十津川高校もそれぞれ準大賞と奨励賞を手堅く獲得。
大賞 静内農業高校

昨年に引き続き大賞の栄誉に輝いた静内農業高校の作品。「Something Blue~蹄鉄と花が紡ぐ幸せの庭」と題した鮮やかなブルーの作品。バックの噴水も考慮してデザインしたのか構図のバランスがとてもよい。花卉以外の演出物に依存し過ぎないのも良い。

静内農業高校のある新ひだか町は全国有数のサラブレッドの産地だが、デルフィニウムの生産も盛んである。
準大賞 剣淵高校

準大賞に輝いたのは剣淵高校。作品名は「剣淵桃太郎の鬼退治!」剣淵高校は「観て愉しい、触れて楽しい」作品に提供があり、昨年同様にボールが転がるギミックは健在。遊び心をふんだんに取り入れたユニークな作品に、通りすがりの子どもやお年寄りが顔を綻ばせる。
木製ボールが奏でる優しい音色が来場者の心を癒やす。剣淵町は絵本の里としても知られる。来季はぜひ童話路線で。

準大賞 新十津川農業高校A

こちらも準大賞を受賞した新十津川農業高校Aチームの「大地の恵み」。説明文によると「宿根草と一年草をひとつの空間でコラボレーション!色とりどりな植物で大地の恵みを表現」したそう。ハンギングを使って噴水とテレビ塔をさりげなく背景に取り込んでいる。

バークチップとグランドカバーのコントラストが上品。白で統一したガーデンチェアとワイヤーもセンス良し。
奨励賞 新十津川農業高校B

2025年の新十津川農業高校は出場2チームが揃って入賞と絶好調。奨励賞を受賞した新十津川農業高校Bチームの作品は「ガーデニングを楽しむ空間」。趣味でガーデニングを楽しむ空間を表現したそうだが、ガーデニングはいろんな道具を使うので小屋は必須(経験者談)。
錆びた蹄鉄と古びた電柱の外灯がノスタルジーを醸し出す。筆者の幼少期は黒褐色の木製電柱をよく見かけた。

特別賞 旭川農業高校A

特別賞は旭川農業高校Aチームの「持続可能な街あさひかわ」。旭川市の人口は道内では札幌市に次ぐ第2位の規模で、近年開発の著しい北彩都地区の発展は目を見張るものがある。旭川は木工も盛んであり、男山や高砂などの蔵元もある。また北方防衛の一大拠点でもある。

旭川は醤油味のスープとストレートな細麺が特徴的な旭川ラーメンが有名。昔食べた天金の味を思い出す。
SNS賞 倶知安農業高等学校

一般投票によるSNS大賞に輝いたのは倶知安農業高校。道外の読者のために読み仮名を再掲すると「くっちゃん」農業高校である。道外の人にはニセコリゾートの近くの町といえばわかりやすいかも。ちなみに倶知安農業高校は昨年もSNS大賞を受賞している。
倶知安のシンボル=羊蹄山というわけで今年もおなじみの造作。羊蹄山は別名「蝦夷富士」と呼ばれる美しい山。

その他出展作品(五十音順)
岩見沢農業高校A(生活科学科)

岩見沢農業高校からは4チームが参戦。まずはAチームの「Let's go 岩見沢~魅力あふれるふるさと」と題した作品。岩見沢市にある三井グリーンランドの観覧車をオマージュしたそう。岩見沢市は若い頃に2年ほど住んだことがあるが、コンパクトで住みやすい街だと思う。
岩見沢農業高校B(生活科学科)

こちらは岩見沢農業高校Bチームの「Flower Station~未来のある町~」。ミニチュア汽車がJR岩見沢駅を出入りする様子を表現。岩見沢市の発展の第一歩となるよう頑張って作ったそう。そういえば昔、JR岩見沢駅近くに有名な焼き鳥屋さんがあったな…。
岩見沢農業高校C(環境造園科)

続いて岩見沢農業高校Cチームの「花重なり在る」という崇高なタイトルの作品。軽やかな風にのせて岩見沢から札幌に花を届けたというストーリーが素敵だ。絢爛豪華さと閑古素朴を秘めつつ、等身大のガーデニングを愉しみましょう…という趣旨ですな。
岩見沢農業高校D(環境造園科)

岩見沢農業高校のトリはDチームの「フラワーボックス~平和を願って~」というバラと宿根草をメインにハンギングとプランターでアレンジした作品。残念ながら4チーム入賞ならずだったが、来季はチームごとのカラーを明確にした作品づくりを心がけると良いかもしれない。
旭川農業高校B

旭川農業高校Bチームの「旭農フラワーガーデンカフェ」と題したお洒落な作品。緑豊かでカラフルかつ開放的なカフェ空間を表現したという解説文のとおり、こんなスペースで終日ノマドワークしてみたいと感じた。もっとも今日の強い日差しはパラソル必須だが…。
当別高校

当別高校は「亜麻が咲く、憧れのガーデニング」という作品を出展。亜麻(写真右の青い花)は当別町の特産品で、アマニ油を同町の地域創生の目玉として育成しようという動きが盛んになっている。だったらド真ん中でしっかりアピールしたいところ。来季に期待。
大野農業高校

大野農業高校は昨年に引き続き木製ブランコが登場。実はあまり知られていないが、大野町は北海道水田発祥の地。今でこそ道産米は全国でも人気の銘柄となったが、そのルーツは大野町。来季は米俵で演出したら?といいたいが、初夏には似つかわしくないか…。
酪農学園大学附属とわの森三愛高校

酪農学園大学付属とわの森三愛高等学校は「秘密基地」と題した作品を出展。筆者世代の男性なら思わず「わかる!わかる!」と呟いてしまうが、脇役であるはずの演出物が主役の花卉を押しのけてしまっている観があって残念。来季は舞台演出を見直して入賞を目指したい。
更別農業高校

更別農業高校からは「普段使い」と題した全然普段使いではないゴージャスな作品が出展された。筆者は十勝で13年暮らしたが、たしかにマイホームが多くて、ほとんどの家庭では写真のようなガーデニング+ウッドデッキが定番。でも札幌では非日常的で贅沢な世界…。
壮瞥高校

壮瞥高校の「小さな果樹園」。壮瞥町は農業生産の役目を終えたリンゴの老木を木炭にして果樹や花卉の栽培のために再利用する持続可能な農業を試みているそう。管理職としての役目を終えた私がコンサルタントとして志ある経営者に再利用されているのと同じかな?
6丁目会場 ハンギングのある風景

大通公園6丁目会場では(一社)日本ハンギングバスケット協会北海道支部による「ハンギングのある風景」なるイベントが開催されていた。同協会の公式サイトによると、同協会は1996年に設立されたハンギングバスケットとコンテナガーデンの普及に努める組織らしい。

日本ハンギングバスケット協会は北海道、東北、関東・甲信越、東海・北陸、関西、中国・四国、九州・沖縄に支部があり、概ねほとんどの都道府県で教室を開講している。
さらに同協会認定のJHBS(ハンギングバスケットマスター)認定試験なるものも実施しているそう。まるで筆者の所属する社会保険労務士会のよう…。
花は庭に植えるものと思っていたが、ハンギングやコンテナガーデンといった愉しみ方もある。日常生活のシーンに花があるだけでなんとなくリア充になるのが不思議。


人間が他人に好意や祝福の印として花を贈るようになったのはいつ頃からだろうか…。花が人の気持ちを幸せにするなら、人事の一環として花を活用できないか?と考えてしまう。
会場では、ハンギングバスケット初心者のために即席の講習会も開催されていた。それにしても皆さんお上手。いきなり参加してこんなに立派な作品を製作できるのか?と感嘆しきり。


6丁目の野外ステージでは、北海道農業高校生ガーデニング甲子園の開会式&表彰式、ハンギングバスケットのデモンストレーションなどが行われた。29日(日)には15時から札幌フィルハーモニー管弦楽団による演奏会も催され、花と芸術の街、札幌らしいフィナーレであった。

札幌といえばグルメ。お約束の屋台も多数出店。獣肉&小麦粉NGの筆者であるが、今年はザンギやフライドポテト、米粉クロワッサンなどのメニューもあって助かった。
7丁目会場 花市場

7丁目会場は札幌エリアの園芸店が多数出店。大通公園には大小いくつかの噴水があるが、個人的には気軽に手や足を浸して涼を取ることができる7丁目の噴水が一番落ち着く。これだったら小さなお子さんも安心して遊ばせられるしね。あえて控えめなデザインにしたのは英断。

花フェスタ札幌の常連「花匠ばら壱」の店先。江別市にある同店は北海道で唯一バラしか扱わないバラ一筋の専門店で、寒冷な北海道の気候に合わせたバラ育成のノウハウを有する。
8丁目会場 トラクター試乗会

8丁目会場ではトラクター試乗会が催されていた。男ってのはホントにメカモノが好きで、年甲斐もなく「俺も試乗したい!」などと思ったのだが、さすがに還暦の近い身ともなると理性(というより世間体)が勝って、「若い子はこういうの好きだよね~」などとやせ我慢…。
花フェスタ札幌のゆきかた

花フェスタ札幌のルーツは大通公園の花壇。明治8年に西洋の草花を現在の3丁目~4丁目に植えたことが始まり。その後、昭和27年には市内の花卉園芸業者のボランティアで花壇造成が始まり、昭和29年の札幌市花壇推進組合設立を経て、今日の花フェスタ札幌に至る。
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サッポロフラワーカーペットとは?

サッポロフラワーカーペットは札幌市北3条広場(アカプラ)のオープニング記念イベントとして2014年に開催された。奇しくもこの年は筆者が十勝定住を断念し、13年ぶりに札幌に帰還した年である。ゆえに筆者にとってこの界隈は思い出深いエリアである。
アカプラ(札幌市北3条広場)の展示

フラワーカーペットの起源はコルプス・ドミニと呼ばれるキリスト教の祭典だそうな。現在はヨーロッパ各地で盛んに行われている市民参加型のアートイベントであり、ベルギーの首都ブリュッセルの祭典が札幌に導入されサッポロフラワーカーペットとなった。

今年は会場に写真撮影用の展望台が設置された。我々も登って写真を撮影してみたが、もう少し高さが欲しい。
赤レンガテラスエントランスの展示

サッポロフラワーカーペットはアカプラ以外にも、隣接する赤れんがテラスのエントランスで開催されている。記念すべき10周年を迎えた昨年は、さらに地下歩行空間(チカホ)にもフラワーカーペットが設置されていたが、今年は1Fのみだった。
サッポロフラワーカーペットのゆきかた

赤レンガテラス3Fのバルテラスでは中華やスープカリーなどのフードコートもあり、かつて相方と仕事帰りにここで時々食事したことを思い出した。その後、紆余曲折あったもののようやく自分らしい人生を送れる身分になって感無量…。御後が宜しいようで。
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