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公園・散策路

発寒河畔公園・発寒川公園(札幌市西区)

2022年12月15日

琴似発寒川をゆく(中流域 / 前編)

暴れ川から親水公園へ

発寒橋から琴似発寒川をながめる。

琴似発寒川(ことにはっさむがわ)は手稲山麓の阿部山(西区)と手稲山(手稲区)の山間を源流とする総延長16.6kmにおよぶ河川である。西区の平和→西野→琴似→八軒(はちけん)→発寒などを経て北区の新川(しんかわ)に流れ込んでいる。

明治の初期には琴似発寒川(旧発寒川)はたびたび氾濫を繰り返す手のつけられない暴れ川だった。そこで明治21年(1884年)に最も被害の甚大だった琴似発寒川の中流域あたりから石狩湾に向けて一直線に新川を掘削することでようやく治水に成功した。

洪水リスクが格段に小さくなった現在の琴似発寒川には上流域から下流域にかけて大小20ヶ所ほどの親水公園が設けられていて流域住民の憩いの場となっている。そこで今回は琴似発寒川の中流域にある4つの公園を前編と後編の2回にわけてのんびりと紹介してゆきたい。

琴似屯田兵村から開拓が始まった

地下鉄琴似駅・バスターミナル前の交差点。

琴似地区は人口20万人の札幌市西区の行政や商業の中心地であり、琴似栄町通沿道のおよそ1km四方の狭いエリアに区役所、JR駅、地下鉄駅、ホテル、そして200軒以上の小売店や飲食店が密集している札幌市内でも有数の繁華街として知られている。

そして琴似は明治8年に屯田兵が初めて北海道開拓のために入植した地でもある。今からおよそ150年前に屯田兵の第一陣198名とその家族が琴似に定住し、厳しい寒さやヒグマの襲来などと戦いながら一生懸命に原野を開墾して現在の琴似の礎を築いた。

発寒(はっさむ)の由来

発寒川公園の入り口
発寒川公園入口にある琴似発寒川の河川標識。

発寒(はっさむ)という地名はアイヌ語の「ハチャム・ペッ(ムクドリのいる川)」が起源ではないかという説があるが正確なところはよくわかっていない。しかし17世紀の津軽藩の蝦夷地調査報告書にはすでにハッサムという地名が用いられていたそうだ。

その後、明治8年に北海道開拓使によって正式に発寒村と命名され、32戸の発寒屯田兵が入植して発寒地区の開拓が始まった。現在の発寒地区は西区随一の工業地域であり、さらに近年は大型商業施設の出店が相次いでいて琴似地区を凌ぐ商業集積が進んでいる。

発寒河畔公園

発寒河畔公園の歩きかた

発寒河畔公園は山の手橋から下流の農試公園手前までの間にある3つのエリアで構成されている。メインとなるのは第1公園だが、とりあえず農試公園の手前から出発し川伝いに第3公園→第2公園→第1公園と順に遡行してみたい。

農試公園のツインキャップ

農試公園

琴似発寒川は農試公園のとなりを流れて新川に合流するが、このあたりはサケの産卵の様子を観察できるスポットとして知られている。

発寒河畔公園その3

第3公園

農試公園からJR函館本線を越えて第3公園に到達した。近隣にはJR琴似駅があり周辺はさまざまな商業施設で賑わっている。

発寒河畔公園その2

第2公園

長栄新橋を渡って第2公園に到着。ここから琴似栄町通りへ向かって徒歩5分ほどで琴似屯田兵村兵屋跡を訪れることができる。

第1公園の下流側は親水広場が設けられ夏の週末は家族連れで賑わう。

発寒橋を渡ると第1公園に到着した。第1公園の下流側は親水広場となっており琴似発寒川から水を引いて流れを減じた支流を設け、親子連れが手軽に水遊びしたり水辺の小魚や水性昆虫を観察したりできるように工夫されている。

上流側にはテニスコート、散策路、子供用の遊具広場などがあり老若男女問わず四季を通じて楽しめる憩いのスペースとなっている。

発寒河畔公園の四季折々

春の発寒河畔公園

春の風景

発寒河畔公園の春といえば桜と梅。春のやわらかい日差しの中、弁当持参で花見をしながらのんびりと過ごしてみたい(火気使用厳禁)。

夏の風景

発寒河畔公園には子供用の遊具がしつらえてあり天気の良い日はいつも近所の子供達の歓声が絶えない。木陰もあって熱中症も心配無用。

夏の発寒河畔公園
秋の発寒河畔公園

秋の風景

札幌市は広葉樹と針葉樹が混在しているので紅葉一色という訳にはゆかないが紅葉と深緑の織りなすコントラストも風情があってまた良し。

冬の風景

冬の発寒河畔公園は一転して静寂なモノトーンの世界。厳冬期には積雪と氷結によって川面は厚い雪で覆われてしまう。春が待ち遠しい時期。

冬の発寒河畔公園

発寒河畔公園のみどころ

かもめ橋付近でウグイを捕食するカモメ

カモメ

かもめ橋付近でウグイを捕食するカモメ達。琴似近辺にはカモメが住み着いており内陸にもかかわらず港町のように海鳥の鳴き声が聞こえる。

琴似発寒川の河鵜

河鵜

琴似発寒川には河鵜も生息している。河鵜は渡り鳥で春から秋にかけて北海道で、そして冬は九州で過ごす。この河鵜は魚道の縁で獲物の出待ち中。

琴似発寒川のサクラマス

サクラマス

写真が不鮮明で大変心苦しいが中央の魚影がおわかりいただけるだろうか?サクラマスはサケより一足早い10月頃に琴似発寒川を遡上する。

発寒河畔公園の藤棚

藤棚

第1公園にある立派な藤棚。桜と梅の季節が終わり藤棚が色づき始めると夏の訪れを感じる。これから発寒河畔公園が最も賑わう季節となる。

寺山修司記念館

さっぽろ寺山修司資料館

発寒河畔公園はさっぽろ寺山修司資料館で終点。寺山修司は昭和の歌人・劇作家であり、あしたのジョーのテーマ曲の作詞者としても知られる。

さっぽろ寺山修司資料館公式サイト

発寒河畔公園へのアクセス

産卵を終えて命が燃え尽き、発寒河畔公園流域の川床に横たわるサクラマスの躯。これが水生昆虫の餌となり、サクラマスの死骸を食べた水生昆虫たちは、やがて孵化したサクラマスの稚魚たちの餌となる。

第1公園;①琴似側;JR北海道バス「JR琴似駅停留所」もしくは「地下鉄琴似駅前停留所」にて路線「琴41」「琴42」に乗車→「発寒橋停留所」を下車し徒歩3分、②山の手側;JR北海道バス「JR琴似駅停留所」もしくは「地下鉄琴似駅前停留所」にて路線「琴41」「琴42」に乗車→「西野3条2丁目停留所」を下車し徒歩5分 ※駐車場あり
第2公園;地下鉄東西線琴似駅から徒歩5分
第3公園;JR琴似駅から徒歩5分

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発寒川公園

発寒川公園の歩きかた

発寒川公園の入口
発寒橋からすぐに公園に降りてゆくことができる。

発寒川公園は琴似発寒川をはさんで発寒河畔公園の対岸にある小さな公園である。写真だけ見ると非常にのどかな風景だが、実はこの付近はスーパー4店舗、ドラッグストア5店舗がしのぎを削り合う小売業者の激戦区となっている。

発寒川公園の四季折々

春の発寒川公園

春の風景

発寒河畔公園ほどではないが発寒川公園にも立派な桜の樹が立っていて春には美しい桜色に染まる。仕事の合間の気分転換にしばしの花見を楽しむ。

夏の風景

最近は札幌の夏もなかなかの猛暑だが山から吹き下ろす涼しい風にゆらゆらと揺れる柳の枝垂れを眺めているだけでも涼感を得られそう。

夏の発寒川公園
秋の発寒川公園

秋の風景

紅葉と深緑のコントラストがゴージャスな秋の発寒川公園。タブレットをたずさえてベンチで終日読書なんて過ごし方もとても贅沢でよい。

冬の風景

発寒川公園の散策路は冬季間でもしっかり除雪されていて快適なウォーキングを楽しめる。ただし冬の河岸は非常に危険なので近づかないこと。

冬の発寒川公園

発寒川公園へのアクセス

アクセス;JR北海道バス「JR琴似駅停留所」もしくは「地下鉄琴似駅前停留所」にて路線「琴41」「琴42」に乗車。「発寒橋停留所」を下車して徒歩5分 ※駐車場あり

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琴似発寒川をゆく(中流域 / 前編)はこれでおしまい。次回は後編として山の手橋から上流へと遡行し、発寒川緑地と西野緑道をご紹介したい。ぜひ引き続き後編も楽しんで頂けると嬉しい限りである。 

  • この記事を書いた人

山口光博

札幌育ちの人事コンサルタント。小売業界に詳しく学生バイト時代を含めるとコンビニ、食品スーパー、総合スーパー、卸売など、流通チャネルに関わるほとんどの職場を経験。地元である札幌市とスープカレーをこよなく愛す。

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