動物園・植物園・水族館

札幌市円山動物園(札幌市中央区)

2023年1月13日

札幌の円山動物園で動物たちと触れ合う

札幌市円山動物園のホッキョクグマ
札幌市円山動物園のホッキョクグマ

札幌市中央区にある円山動物園は、昭和26(1951)年の開園以来、札幌市民に親しまれている動物園です。
現在は、約150種前後の生き物が飼育されており、世界中から集められた動物たちを、季節を問わず、間近で観察することができます。

この記事では、2022年秋に筆者が円山動物園を訪れた際の体験を交えつつ、円山動物園の魅力を紹介します。

札幌市円山公園の歩み

札幌市円山動物園の植え込み

札幌市円山動物園は昭和26(1951)年、北海道で初めての動物園として開園しました。
そのきっかけは、前年の昭和25(1950)年に円山公園を会場に上野動物園から移動動物園を招いたところ、大盛況だったことです。この成功を受けて、円山動物園が誕生しました。

当時は、ヒグマのつがい、エゾシカ、オオワシの3種4点のみの展示でしたが、その後、動物の種類や数を増やし、現在では150種ほどの生き物たちが飼育されています。

昔の札幌市円山動物園の屋内飼育場
かつての屋内飼育場

更に、近年では、旭川市の旭山動物園で話題となった行動展示を積極的に取り入れるなどのリニューアルを重ねています。
その結果、平成30(2018)年度には39年ぶりに入場者数が100万人を突破するなど、今も幅広い層の人々から親しまれています。

札幌市円山動物園のオオワシ

開園と共に飼育を開始したオオワシの「バーサン」は、51年という世界最長の飼育記録を樹立しました。
また、日本の動物園で初めて飼育下自然孵化に成功するなど、オオワシは円山動物園のシンボル的存在です。

2022年秋の札幌市円山動物園

秋の深まりを感じる一日、円山動物園を訪ねました。
雲が広がる空の下、時折、秋風が吹く園内は、多くの来園者で賑わっていました。

以下の展示内容は、訪問時のものです。最新の情報は公式サイトでご確認ください。(運営者)

動物たちと触れ合う

札幌市円山動物園のアルダブラゾウガメ

札幌市円山動物園は、約22.5ヘクタールの広大な敷地内に、約20の動物舎があります。
園内では、哺乳類や鳥類、爬虫類など、さまざまな動物たちの姿を、間近で観察することができます。

大きな動物たち

見る人にインパクトを与える動物園の生き物といえば、大型の動物たちではないでしょうか。
円山動物園でも、さまざまな大型動物を観察することができます。

キリンは、背の高さが4~5mと、陸上で最も背の高い動物です。円山動物園では、下からだけでなく、屋内展示場の2階テラスから、キリンと同じ目線で観察することができます。キリンたちのゆったりとした動きは、とても優雅です。

札幌市円山動物園のキリン
札幌市円山動物園のエゾヒグマ

近年、人里近くに出没してニュースになることが多い、エゾヒグマの姿も。
動物園では分厚いガラス越しなので安心して観察できますが、その大きさと力強さに、もし襲われたらひとたまりもないことでしょう。

世界最大の鳥類であるダチョウの大きさにも、圧倒されました。体長は約2mもあり、近くで見ると、鳥の仲間とは思えないほどです。

札幌市円山動物園のダチョウ

かわいらしい動物たち

動物園の人気者といえば、可愛らしい動物たちです。
中でも、見た目だけでなく愛らしい仕草が魅力的なミーアキャットや、ぬいぐるみのような外見のシセンレッサーパンダは、子供から大人まで幅広い世代から人気を集めています。

この日も、多くの来園者が、その愛らしい姿をカメラに収めていました。

北海道の動物たち

札幌市円山動物園のタンチョウ
道東の釧路湿原に生息するタンチョウは、北海道の鳥に指定されている

世界中の動物たちが集まる円山動物園ですが、北海道に住む動物たちも数多く飼育されています。

中でも、タンチョウは、その優美な姿で知られる北海道を代表する動物です。
また、エゾタヌキやエゾヒグマなどの本州には生息していない動物たちも多く飼育されており、道外から来た方には、北海道の自然を肌で感じられる絶好の機会となります。

ぜひ、円山動物園で北海道の動物たちと触れ合ってみてください。

札幌市円山動物園のエゾタヌキ
何とも言えない愛嬌のあるエゾタヌキは、室内と外を自由に行ったり来たり

札幌市円山動物園の魅力

動物たちの自然な姿を観察できる

円山動物園では、動物たちが本来の能力や行動を発揮できるよう、行動展示を取り入れています。

例えば、ゾウ舎では、ゾウが砂浴びや水浴びをできる環境を取り入れており、室内ではゾウが泳いでいるところをガラス越しに観察できるようになっています。
また、ホッキョクグマ館は、北極圏の環境を再現した施設で、ホッキョクグマやアザラシが泳ぐ様子を水中トンネルから観察できます。

これらの姿を見ることで、動物たちの生態や習性について、より深く知ることができるでしょう。

こども動物園で動物と触れ合う

札幌市円山動物園のこども動物園で子供と触れ合うヒツジ

円山動物園のこども動物園では、アヒルやヒツジ、ポニーなどが放し飼いにされています。
アヒルの鳴き声が響き渡る中、人懐っこい羊やポニーに近づいて、なでたりすることができます。

また、飼育員の解説つきの、モルモットのふれあい教室も開催されています。モルモットの生態や習性について学んだ後、モルモットとふれ合うことができます。

動物たちとの交流を楽しむことができるこども動物園は、園内でも人気のエリアの一つとなっています。

立地の良さで、動物園以外の楽しみも

札幌の円山公園のお花見風景
大勢の花見客でにぎわう、春の円山公園

円山動物園は、札幌の中心部から各種交通機関で15~30分という、アクセス抜群の立地にあります。
また、円山公園や円山原始林に隣接しており、豊かな自然の中で動物たちを観察することができます。

北海道神宮本殿
パワースポットとしても知られる、北海道総鎮守の北海道神宮

さらに、北海道神宮などの観光スポットも近く、動物園とあわせて楽しめます。
また、最寄り駅の地下鉄円山公園駅周辺には、お洒落なお店やカフェが立ち並び、散策を楽しむこともできます。

札幌市円山動物園で、自然を満喫する一日を過ごす

円山動物園正門

札幌市円山動物園は、動物たちとのふれあいはもちろん、円山公園や円山原始林などの豊かな自然の中で、動物たちの生態を学ぶことができる、人気の動物園です。
また、北海道神宮や北海道庁旧本庁舎などの観光スポットも近く、一日中楽しめます。

ぜひ、家族や友人と、円山動物園で思い出に残る時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

開館時間とアクセス

休園日;毎月第2(8月は第1)・第4水曜日(祝祭日の場合はその翌平日)、4月及び11月の第2水曜日を含む週の月曜日~金曜日、12月29日~31日
開園時間;3月~10月 / 9:30~16:30
     11月~2月 / 9:30~16:00
入館料;大人800円、高校生400円、中学生以下無料(中高生は学生証の提示要)
電話番号;011-621-1426
アクセス;地下鉄東西線「円山公園駅」から、徒歩15分もしくはJRバス乗車「円山動物園西門」「円山動物園正門」下車 ※駐車場あり
公式HP;札幌市円山動物園

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参考資料
「札幌のまちとともに歩んだ公園 大通公園・中島公園・円山公園」(日本造園学会北海道支部 監修/2011年)
札幌市円山動物園公式ホームページ
「円山動物園、39年ぶり来園者100万人超え 18年度」(日本経済新聞北海道版2019年4月3日)

  • この記事を書いた人

福島智美

札幌生まれ、札幌育ちの文学修士。学術からビジネス実務の道へ転身し、山口と共に起業する。学芸員資格者でもあり、北海道博物館での実習経験もある。本サイトでは史跡や寺社などを担当。趣味は和装とフィギュアスケート観戦。

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