博物館・資料館・美術館

札幌オリンピックミュージアム(札幌市中央区)

2023年2月16日

オリンピックの歴史と魅力を体感できる、札幌オリンピックミュージアム

札幌オリンピックミュージアムの外観

1972年、アジアで初めて冬季オリンピックが開催された札幌。
そんな札幌の地で、オリンピックやウィンタースポーツの歴史や魅力を幅広い視点から学ぶことができる施設が、札幌オリンピックミュージアムです。

今回は、実際にミュージアムを訪れた筆者が、その見どころや感想をご紹介します。

ミュージアムを訪れた日、隣接する大倉山ジャンプ競技場では、スキージャンプの競技会が開催されていました。その取材エリアには、スキージャンプ界のレジェンドこと、葛西紀明選手の姿も。

大倉山ジャンプ競技場で取材を受ける葛西紀明選手

札幌オリンピックミュージアムの見どころ

札幌オリンピックミュージアムのミュージアムショップ
オリンピックグッズから北海道土産まで、ミュージアムショップは充実の品ぞろえ

札幌オリンピックミュージアムの展示は、大きく分けて、オリンピックの展示、ウィンタースポーツの展示、ウィンタースポーツ体験の3つに分かれています。

これらの展示や体験を通じて、オリンピックの歴史や精神、ウィンタースポーツの歴史などを学ぶことができます。

以下の展示内容は、訪問時のものです。最新の情報は公式サイトでご確認ください。(運営者)

オリンピック展示エリア

札幌オリンピックミュージアムのオリンピック精神に関する展示

オリンピックの歴史や、冬季オリンピックの歴史、札幌オリンピックの様子を、パノラマ映像や写真、時には競技用の道具やメダルなどの実物を交えながら紹介する展示エリアです。

また、普段触れる機会の少ない、パラリンピックの歴史や競技を紹介するコーナーもあります。

冬季オリンピックの歴史

1024年のシャモニー・モンブランオリンピックから90年に渡る冬季オリンピックの歴史を、各大会の開催記録を紹介するパネルやメダルなどの展示を通して辿ることができるコーナーです。

回を重ねるごとに種目数が増え、それに比例するかのように各大会のメダルが大型化していくように見えるのが興味深かったです。

札幌オリンピックミュージアムの冬季オリンピックの歴史についてのパネル展示
札幌オリンピックミュージアムのメダリストの競技道具などの展示

また、日本の冬季オリンピックメダリストが実際に使用したユニフォームや道具などの貴重な展示もあり、リアルタイムでテレビ観戦した当時の記憶がよみがえってきました。

札幌オリンピックの記憶

1972年札幌オリンピックの開催決定から大会の様子までを、写真や当時の新聞記事などで辿ることができるコーナーです。
聖火トーチや、選手たちが実際に使用した競技道具などの貴重な実物展示も見逃せません。

札幌オリンピックミュージアムの札幌オリンピックに関する展示の様子
北海道大学スキー部が札幌の手稲山に作った、日本初の西洋式山小屋・パラダイスヒュッテを再現した展示コーナー

大会のメイン会場だった真駒内に住んでいたことがある筆者にとって、慣れ親しんだ地がかつてオリンピックの舞台となったことを改めて実感すると同時に、不思議な感覚を覚える展示でした。

ウィンタースポーツ展示エリア

札幌オリンピックミュージアムの大倉山ジャンプ競技場に関する展示
大倉山ジャンプ競技場は、札幌オリンピックの競技会場の一つ

スキーやスケートの発祥から変遷、様々なウィンタースポーツの競技ルールなどを、実際に使われた競技用の道具と共に学べる展示エリアです。
また、隣接する大倉山ジャンプ競技場を紹介する展示もあります。

スキーの歴史を知る

各時代のスキー板の実物展示などを通して、スキーの歴史を学ぶことができるコーナーです。

札幌オリンピックミュージアムのスキーの歴史の展示

スキー板の形状や素材は、時代によって変化しています。
札幌で育った筆者は学校の授業でスキーを習った経験がありますが、昔のスキー板を見ると、よくこんな板で滑っていたな、と感心します。

また、当時の選手たちが、どのような滑りをしていたのか、想像するのも面白いです。

ウィンタースポーツを知る

札幌オリンピックミュージアムの競技紹介ゾーンの様子

オリンピック採用種目を中心に、ウィンタースポーツのルールや魅力を紹介する展示です。
ボブスレーやリュージュなどの、普段なかなか目にすることのない競技用具も、間近で見ることができます。

また、一口にスキー競技といっても、ジャンプやクロスカントリー、アルペンなどの種目によって、スキー板の長さや幅が大きく異なるなど新しい発見があり、興味深かったです。

ウィンタースポーツ疑似体験エリア

シミュレーターを活用したウィンタースポーツ体験コーナーも充実しています。
様々な競技を疑似体験することができ、子どもから大人まで楽しめるのが魅力です。

札幌オリンピックミュージアムのスキージャンプ競技のシミュレーター

ミュージアムに隣接する大倉山ジャンプ競技場を舞台に、スキージャンプの踏切から着地までを体験できるシミュレーター。飛距離や点数も表示される本格派です。

ボブスレーのスピード感やコーナリングを体感できるシミュレーター。
ウィンタースポーツは道具や環境の面で実際に触れる機会が少ないので、疑似的なものとはいえ体験の機会が得られるのは貴重なことだと思います。

札幌オリンピックミュージアムのボブスレーのシミュレーター

札幌オリンピックミュージアムで、冬のスポーツの魅力を満喫する

札幌オリンピックミュージアムの館内(1F;吹き抜け全景)

札幌オリンピックミュージアムは、札幌オリンピックをはじめとする冬季オリンピックや、様々なウィンタースポーツの歴史や魅力を、幅広い角度から楽しめる施設です。

実際に訪れてみると、大会当時の熱気や、それぞれの競技の魅力を体感することができます。

初冬の夜の大倉山ジャンプ競技場
初冬の大倉山ジャンプ競技場

また、ミュージアムに隣接する大倉山ジャンプ競技場は、藻岩山と並ぶ札幌のランドマークの一つで、レストランやカフェもあり、素晴らしい景色を堪能することができます。

札幌を訪れる際には、ぜひ札幌オリンピックミュージアムに足を運んでみてください。

札幌オリンピックミュージアムの展望デッキから眺める札幌市街地
札幌の市街地が一望できる、札幌オリンピックミュージアム3階の展望デッキ

開館時間とアクセス

休館日;無休(メンテナンスにより休館の場合あり)
開館時間;5~10月 = 9時 ~ 18時、11~4月 = 9時30分 ~ 17時
入場料;大人600円、65歳以上450円 ※中学生以下無料
電話番号;011-641-8585
アクセス;地下鉄東西線「円山公園」駅よりJRバス(大倉山線くらまる号)「大倉山ジャンプ競技場」停留所すぐ ※駐車場あり(無料)
公式HP;https://sapporo-olympicmuseum.jp/

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参考文献
「さっぽろ文庫16 冬のスポーツ」(札幌市教育委員会 編/1981年)
札幌オリンピックミュージアム公式サイト 
大倉山ジャンプ競技場公式サイト

  • この記事を書いた人

福島智美

札幌生まれ、札幌育ちの文学修士。学術からビジネス実務の道へ転身し、山口と共に起業する。学芸員資格者でもあり、北海道博物館での実習経験もある。本サイトでは史跡や寺社などを担当。趣味は和装とフィギュアスケート観戦。

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